Haoちゃんのひとり言

2016/2/26

マイナンバーカードとポイントカードを一本化することへの課題

2016年の仕事はじめに、高市総務大臣が「マイナンバーカードに世の中のポイントカードを一本化できるか検討を開始する」と述べられていましたが、多面的にみても課題が非常に多いと思います。

将来的には、マイナンバーの導入目的の一つである個人の所得把握のため、銀行口座に付番される予定となっているものの、総務省の通達によると、現時点では、マイナンバーそのものの民間利用はNGとなっています。

少し前の報道で、レンタル業者大手TSUTAYA(ツタヤ=東京都渋谷区)が、国が身分証明書として使わないよう求めていたマイナンバー(社会保障・税番号)の通知カードを、入会・更新手続きの本人確認に使えるようにし、ホームページなどで公表していた事実が取り上げられていました。
内閣府や総務省は昨年8月、防犯カメラに映ったり、店員がメモをとったりしてマイナンバーが流出する危険があるため、通知カードを身分証明書として使わないよう各省庁や自治体に通知を出し、経済産業省を通じてレンタル業界にも求めていました。ツタヤの広報担当者は取材に対し、「国からの業界団体を通じた明確な通達は受け取っていなかった。マイナンバーを記録することはなかったが、1月26日から通知カードでの本人確認をやめるようにする」と話しています。
(出典:http://www.asahi.com/articles/ASJ1T54MJJ1TUOHB017.html

マイナンバーが流出する可能性があるとして、店頭での利用を控えるよう通知していたにも関わらず、店頭で使うポイントカードと一元化できるのでしょうか?

マイナンバーカードは、下図のように裏面にICチップを搭載しています。このICチップには空き領域が元々あり、その空き領域にポイントカードのID情報を搭載することで一元化させることを総務省は検討しているようです。


引用元:総務省WEBサイト「マイナンバーカード」について

世の中の流通業のみなさんが自由に発行されるポイントカードのIDをこのICチップに入れることで、複数存在するポイントカードをお財布から無くし、マイナンバーカードの保有率を高めようと総務省は考えています。

ポイントカードが少なくなってお財布がスッキリすることは、女性を中心とした多くの人々に支持されると思います。ICチップにIDが安全に管理されることについても多くの人に理解されると思います。ただし、この利得の為の損失が多く実現へのハードルは相当あると考えます。

私が思いつく限り列挙してみます。

1.店頭でマイナンバーを店員の方に見えないようなオペレーションが必要
2.店員がマイナンバーを見てしまい、記憶・記録し、流出した場合の対策が必要
3.どのポイントカードを集約したのか?確認できなければ、店頭オペレーション負荷があがる
4.マイナンバーカードを紛失した際に、ICチップ上の新しいIDと過去のIDとの紐付が必要
5.4と同じくICチップが読み取れなくなった場合の対応(最近、キャッシュカードで体験しました)
6.マイナンバーカードの有効期限が到来した際の4の問題(有効期限は無いと思っている人が多いです)
7.店頭でICチップを読み取る為の機器の導入費用負担
8.既存システムとマイナンバーカードのIC上のIDとのマッチングに必要なシステム改修費用
9.マイナンバーカードをそもそも入手するハードルの高さ(通知カードの番号だけでも事足りる)
10.カード券面のデザインによるブランディングができなくなる

このように課題が非常に多い為、実現には非常に難しいと考えています。先にマイナンバーカードがあり、その上でポイントカードが相乗りするという順序であれば、スムーズに行っていたと思いますが、、、。
昨年訪問したベトナムでは、小売店でマイナンバーを伝えて初めてポイントカードの作成ができます。マイナンバー自体を他の用途に利用しても利得が少ないので、他人に伝えることに抵抗感が無いのだと思います。(ベトナム訪問の際の記事はコチラ:http://www.repica.jp/pointplus/column/006-8/)

カードを一本化したいという消費者の気持ちを汲み取り、マイナンバーカードの普及を狙うだけでは総務省が考えるプロジェクトは進まないと思っています。目的を別に持つ必要があるのではないでしょうか。例えば、既存のポイントカードやプリペイドカードのIDに、政府が発行する新しいICチップのIDを紐づけると消費者はお得をえられ(政府が費用を負担)、企業側は消費者の購買動向を把握でき、さらに他の企業がそのデータを有料で購入できるようになる、といった目的に変更する必要があると思います。

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